好きな女にしか言わない 
(裏創作/7.音色ごと攫って〜after time〜) … ありす

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「ありがとうございました」


そう言った香穂が一礼して。
俺は弾き終えたばかりの香穂に近付き、綺麗な形の唇に誘われるようにキスしたんだ。

初めて味わうその唇は香穂の音色そのままに、甘くてやわらかい。
ちゅ、と音を立てて啄ばみ、何度も・・・そう、何度も。

「あ・・・ん、っ・・・」

香穂の吐息が俺の耳をくすぐる。
こんなの聞かされて冷静でいられるはずもなく。


「気が変わった、って言ったら怒るか?」
「え・・・?」
「取って食うことにした。おまえを・・・抱きたい」

にやりと笑って見せると、香穂の顔がひくんと引きつって。
くるりと背中を向けて、俺からすり抜けようとした香穂をパッと掴まえる。
腕の中に閉じ込めたんだが・・・振り解こうとしてじたばた暴れるんだ。

「そんなに力いっぱい嫌がんなくたって・・・。何か、少し傷つくぜ」
「あ・・・」
「ただいやらしいことしたいって意味じゃなくて、さ」

香穂から力が抜けて、俺に体を預けてくる。
もたれかかるその温もりを愛しく感じながら耳元で囁いた。


「俺の生まれた日に香穂を知りたいんだ。おまえのカタチ、熱・・・そういうの、全部」
「私のこと・・・ずっと好きでいてくれる・・・?」

俺は笑って香穂の頬にキスを贈る。
当たり前のこと言うな、って気持ちを込めて。

「好きな女にしか言わないぜ、こんなこと」
「土浦くん・・・」
「おまえと幸せな気持ちで繋がりたいんだ。うんと優しくする。・・・好きだぜ、香穂」

普段なら絶対言わないような台詞も、おまえが相手ならこんなに素直になれる。


だけど、言葉よりもっと。
想いを直接伝えられる方法で・・・。









俺の部屋に場所を移す。
さっき同様、香穂が所在なくうろうろしてるから。

「香穂。・・・こっち」
「え?あっ・・・」

ぐいと手繰り寄せてベッドへと誘う。
膝の上に後ろ向きに香穂を乗せると静かに抱きしめる。


俺の心臓が早く鼓動を刻んでる。 
柄にもなく緊張してるみたいだ・・・。

だけど、それを煽るのは香穂の体。
香る甘い匂いに・・・もう抑えることなんて出来ない。



「香穂・・・」
「あ・・・っん、ん・・・」

後ろから手を伸ばし、両手を胸元に持っていく。
ふくらみを手のひらで包み込むようにして、香穂の胸の柔らかさを楽しむ。

「は、ぅ・・・ん、っや・・・あ」
「服の上から触ってるだけでそんな声出すなんて、おまえって感じやすい・・・?」
「し、知らないよぉっ・・・。もう、そんなの、だめ・・・」

香穂の顔が朱に染まっていくのが可愛いくて。
じれったくなった俺が手を服の下にもぐりこませる。

下着をずらして露わになった胸をぐっと掴むと。
その感触は服の上からとは全然違い、ピッタリ吸い付く肌に次第に夢中になって揉んでいく。

「んん・・・!あ、は・・・っ」
「気持ち、いいか・・・?」
「う、ん・・・。っや・・・!」

香穂の甘い声をもっと引き出させたくて、俺は胸の頂をきゅっと摘む。
そこはもう固くなっていて、触れた途端、香穂から甘い吐息が零れだす。
いつもより色っぽく見せる香穂に俺の指が止まらない。
手を使い、指の腹で擦り上げていく。

「これ、邪魔・・・。取ってもいいよな」
「ひゃあ・・・っ、ん、土浦くぅ・・・や、あ!」

邪魔だと言った香穂の服と下着を取り去った。
初めて見る香穂の体。
正直見惚れてちまって、言葉が出ない。


「土浦くん・・・、あの、・・・何か言って・・・?」

胸元を手で隠す香穂の恥らう姿。
頬を真っ赤に染めて俺のことそんなふうに下から掬うように見て、さ。
ホントに・・・たまらないな、おまえ。

「・・・もっと、ちゃんと見せてくれよ」
「あっ・・・!」

トサ、と香穂を軽く押し倒して。
その拍子に無防備になった手を掴んで頭の上で一つにまとめる。
晒された胸を見つめて赤い実を口に含んだ。
ちゅ・・・っとわざと聞こえるように音を立てて・・・。

「きゃ・・・あっ」
「ん、ここ・・・やっぱり弱いんだな・・・さっきより固くなってるぜ・・・」
「あぅ・・・っ」

舌でくるりと、まるで飴でも舐めてるみたいにすれば、ぴくんと香穂の体が跳ねる。
素直な反応が可愛くて、どこまでも貪欲に求めちまいそうだ。
それに・・・俺自身、余裕が少しずつなくなっていくのがわかる。

俺が唇を離すと、つつ・・・と銀糸が伝う。
起き上がって今度は穿いたままだった香穂のスカートに手を掛ける。
香穂が何か言いかけたけど、俺は構わず脱がしていく。
残った薄い布一枚の下着さえも剥ぎ取った、その瞬間香穂が小さく声を上げた。


「つ、土浦く・・・や、だめ、見ちゃだめ・・・」
「俺は見たい。香穂の全部を・・・」
「だって恥ずかしいんだも・・・っふあぁ!」

膝を立てさせて、脚の間に顔を伏せると香穂の泉に近付く。
いつから濡らしていたかなんて、ここを見たら想像がつく・・・。
それくらい熱い蜜が零れ落ちてきていて。

「すごい・・・びしょびしょだ・・・」

思わず呟いた俺が指を中へ突き立てると、ぷつんと音がして。
香穂が苦しそうに息を吐き、びくりと体を硬くして無意識に押し戻そうとする。

「んぅ・・・、はあっ・・・」
「痛いか・・・?」
「っ・・・う、うん・・・。平気だよ・・・だから・・・」
「・・・ああ・・・」

俺は頷いて香穂の中を指で掻き回していく。
すぐにソコからくちゅくちゅとした水音と共に溢れ出す滴。

その中で香穂の感じるところを見つけて、そこだけに集中してくすぐる。
指と舌の両方を使っていく内、徐々に体が俺に開いていく。
そんな香穂を見てるだけじゃ・・・もう限界なんだ。


「や・・・あ。ダメ・・・土浦くん・・・」

脚を抱え直した俺に戸惑った声で香穂が俺を制止する。
瞳いっぱいに涙をためて、今にも泣き出しそうになっているその訳を訊いた。

「怖いか・・・?」
「・・・ん。怖い、よ。・・・私ばっかりが土浦くんを好きなんじゃないかって・・・それが、すごく怖い」
「香穂・・・」
「好きだよ、土浦くん・・・。好き過ぎて、おかしくなっちゃいそう・・・」

俺は香穂をぐっと抱きしめた。
熱い体温はもうどちらのものかわからないくらいになっている。

「馬鹿だな。俺が余裕あるように見えるか?こんなにおまえが欲しくて仕方ないくらいなのにさ」

香穂の手を俺の昂りに触れさせると、困ったように顔を赤くする。
固くなったソレは香穂の手に触れて、ますます勢いを持つ。

「好き過ぎて困ることないさ。俺だって同じ気持ちなんだぜ。・・・香穂、好きだ」

俺と香穂の間に、もう迷いなんかなかった。
思いの全てを伝えるために・・・一つになりたい。

「挿れるぜ。力抜いて・・・」

香穂のソコへ俺を宛がい、先端だけ潜らせる。
それだけでどうにかなっちまいそうなくらいの気持ち良さで。
そのままぐぐっと腰を進めていけば、香穂が俺のカタチに合わせて広がるのがわかる。

「きゃ、ああ・・・っ!」
「っく・・・香穂・・・おまえ、すごい熱い・・・」
「はあっはあっ・・・、ん・・・あ、土浦くぅ・・・っ!!」

浅い呼吸を繰り返す香穂の中に俺自身を埋め尽くす。
優しくしなくちゃいけないって・・・頭ではわかってたつもりだった。
なのに、俺の理性ってモンが、それを一瞬でどこかへ消しちまった。

膝裏に手を回し、脚を大きく開かせると繋がった場所からは。
腰を動かす度、押し出された香穂の愛液が二人の間を伝って落ちる。
ぐちゅぐちゅと奏でる音が部屋に響き渡るのを耳にしながら、俺は香穂に溺れていくんだ・・・。

「ん、は・・・っ。香穂ん中、めちゃくちゃ気持ちいーぜ・・・」
「あたしも土浦く・・・んを・・・たくさん・・・、感じるよ・・・」
「まだ・・・もっと欲しがってくれよ、めいっぱい俺を・・・っ」
「ひゃ、ああっん!」

俺を受け入れてくれる香穂がこの上なく愛しくて。
夢中で香穂の体に俺という存在を刻んでいく。
やわやわと香穂のソコがひくついてるのが見える。
言葉にしなくてもわかるぜ・・・欲しがってる証拠、だよな・・・。

「ふ・・・、あっ・・・ん、やぁ・・・何コレ、あ・・・っいやあ・・・!」
「いいんだ、そのまま・・・っ」
「土浦くぅ・・・っん、ああっ・・・!!」
「んあ・・・、俺も・・・っく・・・!」

香穂がびくっと震えて上りつめていくのを追いかけるようにして。
俺自身からも熱い白濁が迸り、全てを注ぎ込んだ後、ゆっくりと息を吐いた。

「香穂・・・」
「ん・・・」

とろけそう、ってのは・・・きっとこんな感じを言うんだろうな。
目を閉じてベッドに深く沈んだ香穂を抱きしめながら、そんなことを思っていた・・・。









「大丈夫か、香穂」
「う、うん・・・平気。でもすっごく恥ずかしかったよ・・・。あ、まだこっち見ちゃだめだからねっ」
「・・・わかってるって」


あの後、意識を飛ばした香穂の傍でいつの間にか俺も眠っちまってて。
次に目が覚めた時、外はもう薄闇に染まっていた。

香穂をそっと起こした俺が、何気なく散らばったままだった服や下着を拾い上げて渡してやったのに。
真っ赤になってすごく怒ってさ。
親切にしたつもりが裏目に出たらしいな。
やれやれ、女心っていうのを理解するのに、俺にはまだまだ時間が掛かりそうだぜ・・・。

今だって香穂がベッドで身なりを整えてる間、俺は後ろを向かされている。
さっき隅から隅まで裸見たんだぜ?
今更服着替えるところ隠しても意味ないと思うんだが。

これを言うと機嫌が悪くなりそうってことは何となくわかったから黙ってたけど。


「誕生日、一緒にいられて嬉しかった」

背を向けたまま俺はぽつり呟いた。

「どうしたの?突然・・・」
「素直にそう思っただけさ。それから・・・大事にする。プレゼントも、おまえ自身も」

俺が言い終わらないうちに、後ろから香穂が抱き付いてくる。
そして、思い切り背伸びして俺に掴まってキスしてきたんだ。

「私だって嬉しかった。土浦くん、ありがと・・・」
「っん・・・。初めてだな。おまえの方からキス・・・してくれるの」
「・・・嫌だった?」
「まさか。これからはしょっちゅうお願いしたいもんだぜ」
「もうっ」

からかってムキになってくる香穂に、今度は俺の方から唇を奪う。
甘くて優しいキスの味は、香穂そのものでマジで癖になりそうだ。



今まで生きてきて、一番最高の誕生日だった。
ありがとな、香穂。






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・・・そんなこんなで。
「3.音色ごと攫って」、その後の物語です。
土浦くんと香穂ちゃんの×××(←今更隠す必要もないですが/笑)

とにかくっ。
今回の土浦くんはかなり糖度高めです。
せっかくなんだもん、好きな女にしか言わないってんなら
とことん甘くなってもらいましょうって意味も込めてvv
でもかえっていやらしさ度も増していた!
そう感じて下さったのなら本望です(笑)

思わぬ形で続き物の創作を書くことが出来て、とても楽しかったです。
最後までお付き合い下さって本当にありがとうございました!

愛好会の皆様への感謝と主催者・さきとさまへの愛を込めて!!
この場をお借りしてお礼申し上げます**


ありす拝



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